今回の事例は、結婚後8年が経過し、夫の不倫が発覚・・・「婚前契約作成しておけばよかった…」という方からのご相談。
婚前契約は、その名の通り、結婚前に作成する必要があります。
なぜなら、民法754条夫婦間契約の取消権があり、「夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも夫婦の一方からこれを取り消すことができる」
つまり、結婚後の契約は取り消せてしまうのです。
ですので、結婚前でないと意味がないのですが、この754条には例外があります。
それが、まさに今回のようなケース。
夫婦の一方が不倫をし、婚姻関係が実質破綻している場合には、夫婦間の契約を取り消せないとしています。
このような場合、「婚前契約書」ではなく、「夫婦間契約書」となりますが、内容は殆ど同じです。
今回のケースでは、夫の不倫が原因となりますので、契約書の内容も、夫に対して誓約してもらう形となりました。
具体的には・・・
次回不倫した場合の慰謝料の設定
財産分与について(不動産を妻へ)
子どもの養育費の取り決め
今後は、妻の信頼回復に精一杯努めること、等
この夫婦間契約についても、婚前契約と同様に法的効力のある公正証書で作成致しますが、この作成には、当然相手の同意が必要となります。
今回のケースは、夫が離婚に強く反対し、妻は、子どもがまだ小さいということもあり、婚姻関係を続けることにした、という経緯があり、夫の同意を得やすかったため、スムーズに締結まで進みました。
ですが、もし、不倫した夫が離婚を希望しているような場合には、この夫婦間契約を締結までもっていくのは難しいです。
お互いに婚姻関係を継続したい意思があり、でも裏切られた相手を信用できない、という方のために「お守り」として作成をお勧めしております。